パニックルーム
このシナリオはCall of Cthulhu に対応。1~プレイ用。
舞台は現代日本を想定していますが、どこに設定しても遊べると思います。
クローズド脱出系。異世界モノではありません。
推奨技能:必須 探索技能、電気修理
サブ 隠密技能、交渉技能、生物学等
探索者同士は知り合いでなくても構いません。
もし、虫がとりわけ苦手であるという設定のあるような探索者がいれば、
ちょっとだけ多めにSANが減るチャンスがあります。
■あらすじ
買い物で、通勤で、散歩で。道を歩いていた探索者は突然足元からの光に包まれたかと思うと、散らかった物置のような部屋に立っていることに気が付きます。
生臭く篭った臭いのするその部屋を恐る恐る出て行くと……そこに広がっていたのは無人の地獄でした。
探索者たちは果たして、ナニカが起きた謎の施設を脱出することができるのか。
未だ施設に潜むナニカの気配を感じながら、生存を掛けて脱出を試みることになる。
《KP情報》
探索者は偶然にも位置交換のサインが刻まれたマンホールの上を歩いていて、施設から脱出しようとするヘビ人間達と入れ替わりに施設のパニックルームへ放り出されてしまいます。魔法陣は残されていますが、同じ方法で脱出することはできません。
施設には未だ人工的に創りだされた這うものが食料を求めて彷徨い、正規の出入り口への道をやんわり塞いでいます。探索者が最終目標として施設を脱出するためには、施設で人工的に生み出されこの惨劇を招いた"這うもの"を誘き寄せるか、行動不能にするか、他の出口を探すかを選択することになります。
他の出口、誘き寄せを選ぶ場合は牢に囚われになっている、他でもなく惨劇の引き金を引いた蛇人間との交流が不可欠なキーとなります。
■NPC
[蛇人間の生き残り] [オス] [本名不明]
〔基礎ステータスは基本ルールブックを参照〕
装甲:1ポイントの皮膚 呪文:INTとPOWが共に11以上なら1d4の呪文を知っている
噛み付き 35% 1d6+毒
拳 50%
アンプルガン 80%~100% (※難易度調整してください)
登攀:80% 隠れる:85% 忍び歩き:80%
アクロ語:35% 日本語:35% 英語:15% 蛇語:50%
目撃正気度喪失:0/1d6
退化しつつつある蛇人間の退化第一段階の種、別名を大地の妖蛆。
弟に施された実験を恨み、施設の地獄絵図の原因を作る。
探索者には友好的。不足なく喋れはするが、人間語の読み書きは苦手。
正規ルートお助けNPC。
名前は訊かれれば答えるが、探索者には聞き取れない。
(蛇語等の技能を有していれば適当な名前をつけてあげてください)
«Monster»
実験体13号/12号(Crawling ones)
通常時/二足歩行型
STR 4d6+10/2d6+8
CON 6d6+10/2d6+6
SIZ 1d4+15/2d6+6
INT 2d6/2d6
POW 3d6+33d6+3
DEX 3d6/3d6
APP 該当無/1d4
HP 24~25/15~16
db +2d6/+1d6
装甲:なし。柔らかく弾力性があるため通常の武器は最小限のダメージしか与えない。
呪文:このシナリオでは所持していない。
押しつぶし 100% db / 拳 95% 2d3+db(二足歩行型のみ)
組み付き 95% 窒息判定
目撃正気度喪失:1d3/2d6
13号≫
暴走する無数の蛆の塊。
第一段階の妖蛆に異種交配突然変異体の這うものの要素を実験で植え付けたモノ。
線状虫が通れそうな隙間があれば大体自由に移動することができる。
蛇人間の生き残りの元弟。
12号≫
暴走する無数の蛆の塊。
何らかの霊長類じみた存在などに異種交配突然変異体の這うものの要素を実験で植え付けたモノ。NO知性。
線状虫が通れそうな隙間があれば大体自由に移動することができる。
こちらは培養槽の中で辛うじて生きている。
※KPは13号より気持ちステータスを控えめに。こちらは二足歩行型をとることはない。
■導入
探索者たちはある日道を歩いていると急に下からの光に包まれて見知らぬ部屋に転移させられる。
そこは閉塞感を感じる窓のない部屋で、辺りにはまだ肉のついた骨、人が寝泊まりしたような生活痕、慌ただしく散らばった見知らぬみみずののたくったような字で書かれた書類、書籍が散らばり、血文字で書かれた幾何学模様の円陣のようなものの真ん中に探索者達はぼうっと立っていた。
■パニックルーム
散らかった暗い部屋である。白骨、寝床や空の食料品などの生活痕、書類や書籍が散らばっている。
部屋には内側を棚やイス、テーブルなどで作られたなけなしのバリケードがあり、その奥に扉が一つある。
◆部屋にあるもの
├赤黒い液体で描かれた幾何学模様の円陣。円陣の外に並べられた燃え尽きた蝋燭。
│└【目星】赤黒い液体が生乾き。中央の焦げ付いた跡。
├散らばる書類と書籍。全て謎言語(アクロ語)
│└【目星】『我々の為に』を手に入れる。書類や書籍は全て[アクロ語]。
│ └『我々の為に』
│ 魔術書(アクロ語) 研究に要するのは50週間程/斜め読みは100時間
│ 読み解けばクトゥルフ神話技能+17 正気度喪失1d10/2d10
│ 蛇皮の表紙にタイトルは無く、本文は先史時代の動物の皮で作った皮紙製。
│ エイボンの書をベースに、ゾタクアとその眷属、ハイパーボリア大陸、
│ 蛇人間の失われた知識、大地の妖蛆、這うものについて蛇人間視点で纏められている。
│ 《神格との接触/ゾタクア》《無形の落とし仔との接触》《蝋燭に魔力を付与する》
│ 《ゾタクアの仔との接触》《這うものの召喚/従属》《似姿の利用》《蛇に命令する》
├まだ肉片のこびりついている白骨
│└臭いの原因① 人間のものと、人間のものではない頭骨。1/1d3のSANチェック。
│ 【目星】齧られた痕跡を発見する。
│ 【医学】白骨の主の栄養状態が悪かった事がわかる。
│ 【鑑識】骨や残る肉に湧いた虫から、推定死亡時期が1年~最近とバラバラだとわかる。
│ 【生物学】人間のものではない頭骨に蛇の特徴を読み取る。人間の頭骨より大きい。
├食料品-全て開封され、食い尽くされて空になっている。
├部屋の隅-蓋のついたポリバケツ
│└臭いの原因② 生乾きの排泄物が溜まっている。【生物学】肉食性の排泄物だとわかる。
│└壁に刻まれたメモ 縦線4本に斜線が一本掛けられたものが無数にある(140前後)
│ 最初の方に『すまない、本当にすまない』と一言日本語で刻まれている。
└なけなしのバリケードに覆われた頑丈そうな扉。
戸横に非常電源が仄かに赤く光っているスイッチがある。
(ドアを開くことができる。時間経過で勝手に閉じる。)
■部屋の外
パニックルームの外。一本の廊下が伸びている。向こうに格子が見える。
非常に暗い中、奥の格子に黄色いランプが点いているのがわかる。
◆パニックルームの扉に寄りかかるようにして倒れている白衣を着た干からびた爬虫類様の死骸がある。
├白衣のポケットからクリアランス・黃のIDカードを入手できる。
├扉には激しい爪痕が残っている。
└死骸から引きずったような乾いた赤黒い線が格子を超えて歪なシャッターの向こうまで伸びている。
◆頑丈な鉄格子
└施錠されている。黃ランプが点灯したカードリーダーに遺体から手に入れたカードを使用して解錠。
◆内側に凹んだシャッター
├此方側に向かってむこうから大きな質量をぶつけたかのように歪んでいるシャッター。
横に黃ランプのカードリーダー有り。
├起動させても戸がいびつなため、下にギリギリ通れるような隙間が開くところで止まる。
└シャッターの向こう側を振り返ると、飛び散った筋状の肉片(干からびた細長い虫の死骸にも見える……)が乾いた粘液とともにこびりついている。
◆戸の破壊されたエレベーター
├手前にカードリーダーとエレベーターキー用の差し込み口が設置されているがランプは点灯していない。
├戸は破壊されて籠は下に落ちてひしゃげている。籠の上を歩くことができる。
(もし籠の中を覗きたいという探索者がいれば、籠の天井についた跳ね戸からその望みは叶えられる。
中身はミンチだ。SANチェックをどうぞ)
└ワイヤーも切断されて見当たらない。エレベーターシャフトに長いハシゴが付いている。
KP≫パニックルームのドア、格子、各シャッターは緊急時に入室を感知して自動で閉まり、
以降内側からの解錠しか受け付けないタイプのもの。
探索者が開けた後はパニックルームのドアを除き再度緊急システムが作動するまでは開きっぱなしです。
■B2フロア
地下二階フロア。エレベーターのB2フロア側のドアも破壊されている。
這い出すと、破壊されたシャッターの向こうに血みどろの空間が広がっているだろう。1/1d4のSANチェック。
◆B2フロアの最初の広間A。乾いた血の海に原型を留めない肉片が沈んでいる。
よく見れば血液に沈んだそこに、寝袋や貴重品、食料の袋など生活痕がある事がわかるだろう。
└【目星】フロアに散らばる肉片の中には比較的まだ一塊といって差し支えないものがある。
└[血みどろの手記]-13号兄を牢に入れた経緯、這うものと避難について愚痴っぽく書かれている。[■資料]参照。
※ここでの発見率は高くないので、探索者が見逃すようであれば
後半シェルター内の記述をカットした版をB1フロアの会議室や個室等で適宜発見させる。
◆広間の詰め所-入り口を守るように銃を持って寄りかかった人間は事切れている。
└空のガンロッカーや汗臭い作業服がある。汚い机の上にミニノートが開きっぱで置いてある。
└[ガードマンの手記]-仕事について、なにか逃げたらしい事、そして直前の走り書き。[■資料]参照。
手記の横にはロケットが置いてある。中身はどういうわけか灰色の蛇(ブラックマンバ)の写真。
◆広間の入り口は2重のシャッターがブチ破られており、壊されたバリケードが散らばっている。
└シャッター付近の肉片の近くには多くの武器が落ちている。
探索者が望むなら幸運でまだ使える火器を手に入れられる。
(更に食い下がるなら蛇人間テクノロジーのレーザー銃なんてものもあるかもしれないが、意味は無い。)
◆広間の向こうは施設の各部屋が連なる廊下へ繋がっている。
└バリケードを出たら、窓がない事と施設の電源がダウンしているようなことを示唆してよい。
●B2フロアにあるもの
◆フロアA
◆崩落地点
◆乾いた血痕の飛び散ったB2の見取り図
◆薬品保管庫(クリアランス緑)
├破損した薬品の混ざり合った、気分の悪くなるような臭いが篭っている。
│1行動毎にPOWx5、失敗したものはそれ以上室内に居られず、退出しない場合は次の行動から窒息判定。
└薬品の殆どが倒れたり割れたりしている。
冷蔵保管棚を調べると赤いアンプル(緊急停止薬)、青いアンプル(安定化剤)が一本ずつ無事。
【目星】近くに白いオモチャの銃のような器具を1つ見つける
└[アンプルガン]
アンプルを一本装填して使用する。着弾すると対象に内容物を注入する。
13号兄はこれを80%~100%技能で使用できる。
(アンプルは素手で刺しても効果がある。対象の近くに寄るのは致命的だと思われるが。)
◆牢屋-13号兄が収容されている。[■イベント]参照。
├階段を降りると横並びの牢の手前の壁にプッシュ式のナンバーロックがある。
└手前と奥の牢には干からびて黒光りする虫の集った人間の死体が積み重なっている。
0/1d4(虫嫌いは更に+1)のSANチェック。
◆解剖室
└未知の機械や器具が散乱している。ひしゃげたストレッチャーには拘束され開頭されたまま
絶命している爬虫類じみた謎の生き物が載ったままになっている。0/1d4+1のSANチェック。
◆休憩室-給湯室-裏口のドア
└休憩室は当時無人だったようでそんなに散らかっていない。ソファとテーブルがあるくらいで物もない。
└給湯室の奥に不審なデッドスペースと、壁にインターホンのような小さな機械がある。
◆培養室
└シャッターが破壊されている。幾つかの透明な円柱水槽が並び、非常電源で淡く光っている。
小さな水槽に悍ましい奇形生物が収容されている中、一際大きな水槽が4つほどあり、
2つは空、1つが大きく破損し、残り1つに筋状肉が寄り集まったような不快な肉塊が浮いている。
それらの悍ましい光景を見た探索者たちは1d3/1d10のSANチェック 。
└12号が収容されている。電源の回復で水槽から排出され行動を開始する。
◆集塵室(クリアランス緑)
└奈落へ続くダストシュートがある。アクロ語と日本語と英語で同じ注意文が掲示されている。
『不用意に覗きこまないこと。廃棄の際の落し物などに注意。決して取りに行かないこと。
また、不 必 要 に 餌 を 与 え な い こ と』
【聞き耳】ざわざわ、ぺちゃぺちゃ、という嫌悪感を感じる音が遥か下方から響いて聞こえる。
もし注意文を読んでなおここから脱出しようと試みる者があれば、
彼は大地の妖蛆の最も忌むべき義理の縁者達の一員に迎えられることだろう。(探索者ロスト)
◆主任室(クリアランス青)
└机の上にボイスレコーダーが置かれている。
└『OPEN』という機械的な発音の後に短いシュウシュウという擦過音が録音されている。(裏口を開けられる)
◆所長室-開け放たれている。
├【目星】本棚から乱雑に何冊か抜き取られた痕跡がある。
├机の上-#13という数字の記載だけが読める、判の捺された書類(アクロ語)。
├机の上-蛇人間の写真が添付された、判の捺された書類(アクロ語)。
├引き出しにEのタグが付いた大きい鍵。(エレベーターキー)
└カードリーダーのついた金庫(クリアランス青):(AF)汚いトトロのような金の像が仕舞われている。
◆1Fへの階段
◆電源室
└【電気修理】施設全体の電源を復旧する。後述[■イベント]の電源室イベントの項目を参照。
■B1フロア
地下一階フロア。13号がサーバー室付近を這いずっている。
●B1フロアにあるもの
◆居住区
└廊下や部屋内は乾いた血みどろの惨劇となっている。
◆食堂-破壊された椅子とテーブル。
└立て篭ったのか厨房にバリケードの残骸があるが、その奥で幾つもの乾いた肉塊が折り重なっている。
食品は全て腐り、虫が湧いている。(虫嫌いSANチェック0/1d2)
◆資料保管室-(クリアランス緑)
└書類の他に、薄気味悪い標本も数多く並んでいる。0/1d3のSANチェック。
└【図書館】-這うものの実験資料、薬品投与についての記載。その他の資料。
・[About the handling of crawling ones]
└這うものの取り扱いについて。内容は後述[■資料]を参照。
・[蛇の飼育指示書]
・[生体素材リスト](手書きで懲罰収監と書き足されている)
└氏名欄は人間はローマ字表記、蛇人間はアクロ語で末尾に1,2,3のいずれかの数字が振られている。
上から半分くらいまで横線が引かれ、消費欄に判が捺されている。
一番最後のアクロ語記名には手書きで『****#13**』と手書きで補足され、氏名の末尾は1となっている。
◆研究室
└手前は謎の機械やパソコン、アクロ語の書類が散乱している。
奥の部屋では謎の機械の他に、割れたガラス器具などが散乱している。
◆ロッカー室-クリアランス・緑のIDカードを入手。(薬品保管庫の鍵・資料保管庫の鍵)
└ロッカーが倒れ、ひしゃげ、内容物が散乱していて、奥の一部は土砂に埋まっている。
└【目星】か土砂を調べる-エレベーター前へ抜ける隙間を発見できる。
└【聞き耳】ぞるぞると粘着質のモノが這いまわる音が隙間の向こうから聞こえる。(初回のみ)
└歪んでいるが原型を保っているロッカーを力任せに(STRx3)開けると、
白衣を着た人間の干からびた死骸が倒れこんでくる。0/1d2のSANチェック。
死骸の白衣を調べると上記のカードキーを入手できる。
◆飼育室(クリアランス・黄)
└上にランプが設置され、乾材が敷かれた空の水槽がたくさん置いてある。
一匹のブラックマンバ(灰色)が生き残っている。
KPは口の中が真っ黒である事を描写して、物知りなPLに危険な毒蛇であることをほのめかしてみよう。
【生物学】を振らせてもよい。調整してどうぞ。
世界有数の毒蛇が解き放たれていると気づいた探索者は1/1d2のSANチェック。
蛇語を話すか、詰め所で拾ったロケットを所持している者になつく。おみやげ。
ブラックマンバのステータスはマレウス記載・キングコブラを基本に、POT値のみ21へ変更。
◆第一会議室
◆第二会議室
└会議室は両方共めちゃめちゃに荒らされ、蛆の湧いた肉塊が転がっている。(虫嫌いは0/1のSANチェック)
※シェルターで[血みどろの手記]を取り逃がしている場合は後半をカットした版をこの辺で発見させると良い。
◆B2への階段
◆B1の見取り図
◆階段とエレベーターフロアの間の通路
└配線が割れた天井からジャングルの蔓植物のように垂れ下がっている。
(電源が復旧すると漏電し始める。)
漏電状態で探索者が通行を試みる場合はDEX判定。
基本をDEXx3として、SIZ10以下1ポイントにつきxの数値に+1ずつ足して難易度を下げることが可能。
逆にSIZ15からは1ポイントにつきxの数値を-1、難易度が上昇。
◆1F出口へのエレベーター前フロア
└13号初回確定エンカウント地点。
└壁に青ランプのリーダー。エレベーターとエレベーター前フロアを遮断するシャッター用のもの。
└1F行エレベーター-稼働するためには電源の復活/エレベーターキー/黄色IDカードを要する。
◆サーバー室
└扉は破壊されている。内部にはサーバーと思わしき未知の機材が倒れたり破損しつつ乱立している。
(電源が復旧すると漏電し始める。)
一番奥に頭を撃ち抜かれた白衣の人間の遺体が転がっている。付近にピストルが落ちている。
└白衣からクリアランス・青のIDカードを入手できる。
■イベント
進行上重要と思われるチェックポイントイベント。
●培養槽イベント
└電源を回復すると12号が開放される。12号は主にB2をメインに徘徊する。
(※探索者が逃走判定に失敗した場合などは後を追ってB1に上がってくることもある)
配置的に電源を回復した帰りに遭遇することになるだろう。
●13号遭遇イベント
└最初に1F行エレベーターへ接触、電源がダウンしていることを確認するとサーバー室から13号出現。
└最初にロッカー部屋の穴を発見した時、向こう側に居ることを【聞き耳】で察知できる。
●地下牢イベント
└13号兄が囚われている。篭った腐敗臭がし、黒い艶のある虫が這い回っている。
探索者の目の前で廊下を走る一匹が奥の格子から伸びた爬虫類様の手に捕らえられる。
13号兄は探索者に気がつくと、「ニンゲンか?生きていたのか?」と問います。基本的には友好的です。
(生きた蛇人間を目撃したSANチェックも忘れずに)
事情を素直に話せば、目的を達成する代わりに裏口を開けてやると交渉を持ちかける。
承諾すると、牢の解錠暗証番号は知っているので施設の電源を復旧して欲しいと頼まれる。
「お隣さんたちが腐っちまったおかげでメシには困らなかった」と言いつつ会話中に虫を食べるので、
虫嫌いの設定があるなどする探索者は追加で1のSAN値を消失する。
13号について聞かれた場合、自分が解き放ったことを隠しはしません。13号兄「ちょいと細工してやったのよ」
彼は13号に安定剤を打ち込むことを目的としていると話す。
●電源室イベント
└【電気修理】施設の電源を回復することができる。
└[イラスト解説付やさしい配電盤]が付属しているため、未知のシステムを用いた不思議な電源装置でも
修理することができるし、ダイスロールに失敗しても倍の時間を掛けて復旧することは可能。
コレを読んだ探索者はSAN-1と神話知識+1
・1F行エレベーターが稼働、裏口のドア、牢屋の鍵が解錠でき、各カードリーダーが使用できるように。
・12号の培養槽の仕掛けが作動し、12号が行動を開始する。
・階段と1F行エレベーターの間の通路に垂れ下がっていた配線から漏電し、火花が散り始める。
安全に通過するためにはDEXx3を要する。
・失敗していた場合、崩落地点から13号がB2に降りてくる。(…かどうかはKPにお任せしよう)
●給湯室の裏口イベント
└蛇語でキーワードを音声入力すると裏口が開く。
必須:電源の復旧 蛇語は13号兄か、主任室のボイスレコーダーで開くことができる。
●対13号イベント
└13号は挑発するなどして気を引くことができる。
└這うものに緊急停止薬を投与させると硬直し、命令系統を撹乱さればらばらとただの蛆の山に変わる。
└安定化剤を投与した場合、13号は人型を形成し意思疎通が可能な知性を持ち始める(発声は不可)
12号に安定化剤を投与しても四足で這いずる歪な生き物の姿に変わるだけで知性を得ることはない。
└13号兄は13号に安定化剤を投与することを目的にしている。
彼に薬を持たせても良いし、囮を必要とするなら自ら買って出る。
安定化剤か緊急停止薬のどちらかを投与する、または戦闘不能にすれば裏口を開けてくれる。
■資料
・[血みどろの手記]
└血みどろになった手帳。大半が読めないが汚損していない部分を抜粋すると以下のようになる。
██/██/█:██号での成功を受け、1█号検体での研究続行が許可された。よかっ█。
██/██/█:1█号検体の選定終了。██号ももう少し安定していればと思う。いや、思考を切り替えるべきだ。
██/██/█:気持ちはわかるが、研究者なら割り切り給え! 全く、いやに人間臭い奴だ。
██/██/█:初の懲罰収監命令で事務は処理に困っているらしい。少し房で頭を冷やすんだな。変温動物だろう。
(日付なし):まさか、1█号が暴█するとは…、█ェルターまで逃█てこれた者は良いが、上の連中はもう助からんだろう。
:私も運が良かった。暫くは不便だがとりあえずシェルターに入れば問題はない。
██/██/█:バリケードを構築し、上層部は有志のガード連中と対応策を協議中。
:時々シャッターにヤツが体をぶつけているのが聞こえる。…まさか、入っては来ないだろう。超合金製だぞ。
(手記はここで終わっている)
・[ガードマンの手記]
└広間内小さな詰め所の中の机に開きっぱなしで置いてあった日記代わりのミニノート。
██/██:あまり太陽は拝めないが、守衛としちゃ随分ちょろい仕事を貰った。
:俺のシュミにも寛大だし、恋人と一緒に仕事もさせてもらえる。ここは天国か?
██/██:仕事らしい仕事といえばこないだ暴れた野郎を一人とっちめて地下に放り込む仕事くれえだ。
:シフト終わりには愛しのハニーと飽きるほどいちゃついてる。ここんとこずっと退屈で平和な毎日だ。
██/██:緊急警報。出動だ。何でも実験体が逃げたらしい。
██/██:被害が大きすぎるっつうんで、俺たちガードも一旦各フロアを放棄してシェルターで立て直すことになった。
:今日のハニーは少しゴキゲンナナメで、上で休んでたはずだ…俺はこの際どうなっても構わねえが、無事だろうか。
██/██:上司と施設のおエラ方で対策会議中、下っ端の俺たちはとりあえず武器のメンテだ。
:ヤツは今日もうるさくシャッターにぶつかってやがる。やぶれっこねえのにな、 ああ、嘘だろ!?
:
:愛してるぜハニー、生きて必ず迎えに行くから待ってろ。(走り書き)
(手記はここで終わっている)
・[About the handling of crawling ones]-(這うものの取り扱いについて)
└十数枚の書類が収められたクリアファイル。タイトルはマジックで直接ファイルに書かれている。
[報告書1]
└無肢型幼虫群体生物
██/██/██、(アクロ語)博士の接触の成功によって彼の者から希少交雑種の遺伝子を入手。
双翅目環縫短角グループと思わしき無肢型幼虫の集合群体で形成されたその姿こそややかけ離れるものの、確かに親和性があることを検体█号が示した通り、我々の遠い血縁の申し子であるとの確証が持てる。接触体の反応からも知性に期待が持てることから、この交雑種遺伝子をベースに退化種の再回帰プロジェクトを進めることを決定。群体形成、命令系統を保持するためにホルモン分泌系情報を確保することを当面の課題とする。接触体の申告の通り、crawling ones(這うもの)と呼称する。
[報告書2]
└12号検体の群体定着を確認。知性レベルのテストでは低値を記録。大型哺乳類での実験も限界か。
以降の実験に於いて一定レベル以上の知性水準を持つ検体を使用できるよう申請する。
12号検体の耐久値に関しては基準レベルをクリアしているが、群体定着を確認したものの一定の固体的容姿を保つことができないため安定性に関する数値は取れておらず、また定着も不安定な可能性があるため水槽外での実験は推奨されかねます。安定化への対応を早急に願います。
[報告書3]
└13号検体の遺伝子定着、群体定着を確認。定着の安定度もこれまでの検体とは比較にならないほどの数値を記録。容姿はすぐさま肉塊様をとり、こちらは12号と同じく容姿の安定性を欠くため、安定化剤の作成が急務。少しではあるが試験的に行った簡易知性レベルテストでは初期交流基準値をクリア。薬剤投与による安定化を図った後、高次知性テストの実施へと順次移行する予定。
13号検体の質量がこれまでの最大サイズであった12号検体を上回る為、水槽外実験については保留。休息状態にあった12号検体共々音刺激や光刺激に反応しての胎動反応が確認できるようになった。安定化後行う予定である水槽外実験の際、万一が起こらぬためにも安定化剤の精製と並列で緊急停止薬を精製する。やむを得ない緊急時にはアンプルガンを用いて緊急停止薬を対象に投与すること。
補足:薬は緊急時に誰もが使えるようわかりやすく着色してくれ。多少安っぽくても良いから子どものオモチャみたいな色に。
■エンド
●ED1
13号を誘き出すなどしてB1にある1F行エレベーターから脱出する。
クリアランス青のIDカードを所持している場合、エレベーター前の壁のリーダーを有効にする事によって
エレベーター前とエレベーターフロアの防火シャッターを下ろすことができる。
描写A:[シャッターを下ろし、這うものを締め出した]
シャッターに体を打ちつける恐ろしい音がする。
やがてそれも遠ざかり、エレベーターのドアが開くとそこは陽の差し込む古びた廃墟の中だった。
描写B:[シャッターを下ろすなど時間稼ぎをしなかった]
遅すぎるとも思われるエレベーターのドアが閉まると、扉へ這うものが体を打ちつけて籠が大きく揺れ、
恐ろしい音を立てて上がりかけたエレベーターの戸を破ってくる。
負荷でワイヤーが切れる重い切断音と共にガクンと籠が下がり、最早エレベーターとしては機能しない。
天井の隅に一マス、開けそうな場所がある。そこから籠を脱出し、地下でそうしたようにシャフトの
ハシゴを追い立てられながら登る他ない。
背後から伸びる蛆を撚り合わせたような触手が探索者を捕らえようとしている。
全員に《DEXx3》を要求する。失敗した者は強く引っ張られ、振りほどくのには《STRx5》の成功が必要。
失敗した探索者は這うものに取り込まれ、細胞レベルで命令系統を書き換えられてその一部と化す。
逃げ切った探索者は陽の差し込む古びた廃墟の中へ這い出す事ができるだろう。
(おそらくすぐさまその場を逃げ去る探索者は知る由もないだろうが、
シャフトを登ることのできる這うものは密かにこの現代のどこかへと解き放たれたことになる。)
●ED2
13号兄の条件を叶えるなどして、裏口から脱出する。
描写A:[13号に安定化剤を投与した]
13号を覆っていた蛆は収束し、二足歩行の人型のような形状で安定する。
その皮膚は相変わらず蛆によって絶えず蠢いているが、遠目には裸の人間に見える。
13号兄は探索者たちに礼を言って裏口へ案内し、扉を開けてくれる。
彼らは後始末があると言って施設に残る。扉の向こうの長く昏い坑道のような道を進んでいくと、
山の中腹にぽつんと開いた穴から外に這い出せる。外は気持ちのいい秋空だ。
13号兄弟がその後どうしたかは分からない。
描写B:[13号を戦闘不能にした]
13号兄はしばし呆然とした表情を見せるが、直に諦観を呑んだ様子で探索者たちに礼を言う。
裏口へ案内し、扉を開けてくれる。彼は後始末があると言って施設に残る。
扉の向こうの長く昏い坑道のような道を進んでいくと、
山の中腹にぽつんと開いた穴から外に這い出せる。外は気持ちのいい秋空だ。
13号兄がその後どうしたかは分からない。
描写C:[13号兄の手を借りずボイスレコーダーを使用した]
音声に反応して裏口のドアが開く。扉の向こうの長く昏い坑道のような道を進んでいくと、
背後から破砕音が響き、猛烈な勢いで這うものが壁に体を打ち付けながら追いかけてくる。
DEXx5に失敗すると落石により1d3のダメージ。まだ自力で移動可能ならば再度DEX判定を課す。
無論失敗すればその都度1d3ダメージの落石。
動けない誰かを運び出す場合は即座に【STRx5/DEXx5】両方の判定に成功しなければならない。
この一度きりのチャンスに失敗したり、動けなかったものは這うものに呑み込まれその一部となる。
逃げ切ることができれば山の中腹にぽつんと開いた穴から外に脱出できる。
背後で坑道が轟音を立てて崩落し、呆然とする君たちの前で土煙を噴いて通路は閉ざされるだろう。
描写D:[C条件かつ這うものを両方戦闘不能にしている]
音声に反応して裏口のドアが開く。扉の向こうの長く昏い坑道のような道を進んでいくと、
山の中腹にぽつんと開いた穴から外に這い出せる。外は気持ちのいい秋空だ。
知ることのなかった謎は全て闇に葬られる。
[報酬]
・生きて帰った:1d6
・這うものを戦闘不能にした:1体につき1d3
・生き残りの蛇人間を牢から開放した:1d3
・13号に安定化剤を投与し兄弟が再会した:1d6
・魔道書『我々の為に』
・ブラックマンバとロケット(AF)-世界有数の毒蛇だがロケットの所持者には友好的。
・金の汚いトトロ像-《某汚いトトロさんとの接触》に使用する場合のみ、POW値の生け贄を肩代わりしてくれる握りこぶし程の金の像。純金なので売ればかなりの額にはなる。
👇MAP (KP用MAPが最後にあります)