魂の破片
このシナリオは Call of Cthulhu に対応。1人プレイ用。
舞台は現代日本を想定していますが、どこに設定しても遊べると思います。
クローズド脱出系タイマンシナリオ。
推奨技能:必須 探索技能
サブ 珍しい技能があると面白いかもしれませんが特に指定する程ではありません。
戦闘あります。
KPはKPのPC(以降PC2と表記)の人柄に合わせて各部屋の描写とPC2を分割した姿である魂の欠片像を
あらかじめ明らかに設定しておくこと。
ある程度PC2とPLのPC(PC1)の仲は親密な方がイイです。
ギミックも長さも複雑ではないのでプレイ時間はRPを重視した分延びます。楽しんで。
■あらすじ
水槽の中で目を覚ましたPC1は謎の動物NPCによって水槽から助け出される。
あなたは既に分割された大切な誰か、もしくは見知らぬ誰かの魂の欠片を集めて現世に戻らなければならない。
《KP情報》
黒幕は安蘭寺商社部。黒い仏を信奉する何ラトさん系の教団です。
邪神や他教団を取引先に、人間の魂を取り扱うビジネス部署をもち、災害やテロ等を装ってそれらを"仕入れ"ています。
仕入れに巻き込まれたPC1が目を覚ました時、既に大切な誰かは魂を6ツに分離させられたところでした。
その分かたれた魂のうち、本能を司る獣がPC1を救い出す所から物語は始まります。
■NPC
[KP側のPC(PC2)] [または下記のオリジナルNPC]
シナリオの性質上PC1とより親しい関係であると良いが必ずしもそうでなくてもいい。
(しかしながら最低限既知の関係であることが望ましい)
彼らは6つに分けられて存在する。性質が抜け落ちたり強調されている分、各人格のRPに注意すること。
天道の欠片-子供時代の姿をした無垢と無知、邪気なき傲慢、喜怒哀楽の楽を分離した存在。
人間道の欠片-5ツの要素を抜かれた素の人格。ベース。愛と苦悩。
他の5ツの存在を把握しており、コントロールし得る唯一の存在。
修羅道の欠片-拘束された正義とエゴの姿。貫くために手段を選ばない存在。
PC2の人柄によっては拘束されていない。
畜生道の欠片-本能。養われる家畜。何らかの動物の姿。最初に逃げ出し、PC1を開放する存在。
餓鬼道の欠片-飢えた満たされぬ欲望の姿。
PC2の人柄によっては拘束されている。PC1に欲求を訴えはするが強制する力は持たない。
地獄道の欠片-有り得るかもしれない狂人の姿。自らの狂気に従い一貫した行動を取る。
その目的のために脱出まで素直に従うかもしれないし、実行可能であれば実行してしまうかもしれない。
そもそもコミュニケーションが成り立たない可能性もある。
[草野秋彦(クサノアキヒコ)] [NPC例]
STR 11 CON 11 POW 11 DEX 11 APP 11
SIZ 13 INT 13 EDU 14
HP 12
db ±0
PC1に好意的な青年。共に出かけるくらいには親密。
母子家庭の出で幼い頃に母が自死している。
«Enemy»
残業中の教団信者の男
STR 10 CON 10 POW 10 DEX 10 APP 10
SIZ 12 INT 12 EDU 13
HP 11
db ±0
拳 60% 1d3+db
錫杖 40% 1d6+db
浄瓶 呼びかけた名前(本名でなくとも良い)に魂が返事で応じると吸われる。生身の人間に効果はない。
シンプルな僧衣の上から白いローブを被っているようにみえる怪しげな男。小さめの錫杖を携帯している。
浄瓶を所持している以外は普通の人間のステータス。
(探索者制作支援ダイス等で一括で振った結果でも構わない)
■導入
目が覚めると君は暗い水の中にいる。体が重い。外からボンヤリと光が入っている気がする。
何か動くものがこちらに近寄ってくる。鳴り響く甲高いピ―――――という電子音とともに、突然君は水の外に排出された。
顔をあげてみれば、むせ返る君の前に、一匹の動物が気遣わしげに大判の布を咥えて差し出してきていた。
そこで初めて自分の状態を把握したPC1は自身が全裸であること、
拘束テープによって手首を戒められ何らかの容器に収容されていたことに気づいて1/1d4の正気度判定。
直前の記憶を思い出すならば、PC2と一緒にどこかに出かけていたことは思い出せる。
■水槽の部屋
最初の部屋。 円柱の水槽がいくつか並んでいる。
ランプがついているのは端の2つのみ。1番端にある水槽からPC1は排出された。隣の水槽は空だ。
水槽に付属したパネルがあり、操作することでランプの点灯している水槽から内容物を排出できるようだ。
投げ出された床はタイル地で、小さな排水口に液体が流れていくのがわかる。
◆獣
└(PC2の畜生道の欠片)。最初に排出されたPC1を見下ろしていた。
水槽からPC1を開放したのはこの動物。裸のPC1へシーツを渡し、牙や爪で手首の拘束テープを破ってくれる。
以降は[六道の部屋]の各部屋に自分の魂の欠片がいることを示唆するよう行動しながらPC1に従う。
側頭部と前足に怪我をしている。RP上で構わないので治療すると好感度が上がる。
◆次の[六道の部屋]への間に扉などの仕切りはない。
└天井/床への注目、または部屋目星で各水槽から配管が伸びるような模様が次の部屋へ伸びているのがわかる。
■六道の部屋
水槽の部屋から続く八角形の部屋。
来た通路を覗く7面全てに扉がついている。
◆注目
├床/天井:水槽の部屋から伸びた線模様は6ツに分岐して正面を除いた各扉に続いている。
│ 床と天井の中央には四重円の幾何学的な模様が刻まれている。
│ 四重円の外環は12分割、次が6分割、縦に2分割して最後が円という模様。(KP情報:六道絵)
└6ツの扉:漢数字で番号が振られている。[肆(四)]の扉が半端に開いている。(獣はココから逃げ出した。)
└正面の扉:何も書かれていない。これみよがしにカードをピッとタッチできそうな機器がくっついている。今は開かない。
<各扉の解説>
◆[壱](天道の部屋)
└PC2の子供時代の一室。学校の教室など。
[天道の欠片]は
「どうしてかずっとここに居たい気がする」
「いつか出ていかなきゃいけない気もする」などとPC1へ伝える。
危機感はなく無邪気で(実際の子供時代以上に)、連れ出せば従うがあまり現状についての情報などに興味を持たない。
《例》
[扉を開けると、そこは遥か昔に見覚えのある小学校の教室。]
[かつてあなたも通っていた教室……誰もいないかと思われたそこに、黒髪の少年が一人佇んでいました。]
◆[弐](人間道の部屋)
└PC2の現在の自室、または寝室など多くの時間を過ごすごくプライベートな部屋。
[人間道の欠片]はここには居ない。(既に僧衣の男によって回収されている)
机などに【目星】または注目。
└PC2の日記。自身のエゴ・または欲望(拘束してある方)について、真実の心情をひとつだけ知ることができる。
『これだけは見えない所に隠しておかなきゃならない。本当は鍵も捨ててしまいたい。』等。
また、クローゼットやタンスなどから私服を入手できる。
《例》
[さっぱりとした個人の寝室のようにみえる]
[机と本棚、ベッド、クローゼット。一般的な若者の一人暮らしを彷彿とさせる室内だ]
[人影はありません]
◆[参](修羅道の部屋)
└PC2の正義、エゴに象徴される部屋/場所。
[修羅道の欠片]は部屋の椅子などに縛り付けられており、
目の前には未実行のエゴの対象などが象徴として置かれている。
(例:人を殺してでもなされるべき復讐のエゴであれば、燭台や刃物の傍らに人物の写真が置かれている)
[修羅道の欠片]は継ぎ目のない未知の金属の手枷と、部屋へ繋ぎ止める鎖の二つで拘束されている。
後者にのみ、鍵穴と呼べるものがついているのがわかる。(欠片への【目星】/注目等)
拘束されている欠片は「自分を連れて行かないほうが良い」「鍵はあいつが持ってる」などと伝える。
彼らは自分を縛る[人間道の欠片]の存在だけは把握している。
欠片が拘束されていない場合、エゴの対象は実行され燃え滓など痕跡のみがそこに残っている。
部屋へ繋がれていた鎖を解かれた欠片は基本的にはPC1の言うことには従う。
※鎖が掛けられている間は部屋に固定されているので、浄瓶で吸うことができません。
※解けない枷と部屋に固定できる拘束具との二種であれば拘束の仕方はシュミでアレンジしてどうぞ。
《例》
[燭台の明かりだけが揺らめく薄暗い部屋だ。]
[本棚に囲まれた机の上に、空の鳥かごとPC1の写真が置いてある]
[机の前の丈夫そうな椅子に、鎖を巻かれた青年が座っているのがわかる]
◆[肆](畜生道の部屋)
└獣の姿に合わせて、ファンシーでパステルなクッションや獣用のおもちゃ、寝床などが完備されたふわふわな部屋。
[畜生道の欠片]は既にPC1と同行している動物のため、部屋内に欠片の姿はない。
用がないので獣も後述イベントまでは案内しようとはしない。
◆[伍](餓鬼道の部屋)
└PC2の満たされぬ欲求に象徴される部屋/場所。
[餓鬼道の欠片]は相応しい姿でそこに蹲っている。
(PC2の人柄によっては拘束されている。拘束の描写は修羅道の欠片と同様。)
飢えた欲求を抱いた餓鬼道の欠片は探索者に自身の欲求を訴えるが、それを強制する力は持たない。
欲求が探索者に関わるものである場合、どちらかというとこの部屋に引き留めようとする言動を取る。
《例》
[完結した病院の廊下のような場所へ出る。ベンチにPC2の面影を持つ少年が俯いて座っている]
[廊下には部屋へのドア(開かない)が一つだけあり、窓から顔に布をかけられた遺体が中に安置されているのが見える]
[『お母さんに会いたい』『お母さんになってくれる?』]
◆[陸](地獄道の部屋)
└ほぼ真の暗闇。(【目星】でよく目を凝らすと、狂人のPC2を象徴する部屋/場所であることがわかる)
[地獄道の欠片]はただ立っている。PC2のSANが0になった場合の姿であり、自己ルールに従い一貫した行動を取る。
知性を残した狂人である場合は目的を達成するためならば脱出までおとなしく従うだろう。
脱出しなくてもこの場で実行できるような狂気であれば、欠片はそれを躊躇うことはない。
心理学や精神分析の類を行ってもSAN0と同一の状態なので効果はない。
それらの技能を使った場合、どこまでも堕ち込むような暗い深淵の瞳に見つめ返され1/1d4のSANチェック。
《例》
[扉は内側に闇を湛えています]
[(【目星】を成功)闇に目を凝らしてみると……カビ臭い路地裏であることがわかる]
■イベント
[六道の部屋]で[肆の部屋]を除いた5つの部屋を訪れ、欠片達に接触した後起こるイベント。
◆無印の扉の向こうから、ピッピッと解錠するような音が聞こえる。誰か入ってきそうだ。
└PC1が行動を迷うようなら獣が[肆の部屋]や[弐の部屋]など無人の部屋へ退避するよう引っ張る。
└PC1が即座に部屋へ退避するなどして見つからなければ、信者の男は[拘束された欠片]を除いた魂の欠片が
居る部屋に入っていくのが見える。【聞き耳】または【忍び歩き】などで近づいて部屋の内部の様子を伺うと、
信者の男がKPのPCの名前を呼び、それに返事をする声が聞こえる。(部屋に欠片を残していた場合。)
直後にカラン、と乾いた音がして、部屋から男が出てくる気配がする。
└信者の男はその後順番に[拘束された欠片]以外の魂の欠片を回収しにやってくるが、[畜生道の欠片]を
回収しに[肆の部屋]へ訪れるのは最後、またPC1と獣が[弐の部屋]に隠れている場合は肆の後に
不思議そうな仕草でこちらの部屋を見に来る。(他欠片を回収している場合も不思議そうに出てくる。)
└隠れている部屋で獣はPC1に隠れているようシーツを被せたり隙間に押し込んだりと隠すような行動を取る。
信者に見つかった獣は威嚇するなどして信者の注意を引くので、PC1は奇襲を掛けることが可能。
信者の男は獣に3度名前を呼びかける。奇襲を掛けるなどをしなければ3度目に獣は吠え声などで返事をして
浄瓶に吸い込まれてしまう。奇妙な光景を目撃し0/1d2のSANチェック。
└奇襲を掛ける、または上記に至る前に信者に発見された場合戦闘へ。
IDカードを奪わないと外へ出れないので、信者の首からそれがぶら下がってるような描写を忘れないこと。
└[肆の部屋]であればおもちゃの中に拘束できそうなロープなどを見つけられる。
└※PC1が回収できる欠片を全て連れている場合、また浄瓶使用のやりとりを聞き逃した場合、
できれば戦闘直前に[地獄道の欠片]を最初に吸い込むところを見せるなどして浄瓶の使い方を暗に示すこと。
◆信者の男
拳 60% 1d3+db
錫杖 40% 1d6+db
浄瓶 呼びかけた名前に返事をすると吸われる。
(先に欠片のまま回収した[人間道の欠片]から都度名前を聞き出しているので、PC1の名前はまだ知らない)
◆浄瓶:小さな吸口のついたスマホサイズほどのピルケースのような道具。達筆で[浄瓶]とロゴが刻まれている。
取得した浄瓶を振るとカラカラと何かが入っている音がする。
ピルケースの容量で開くと、魂の破片が(吸い込まれた欠片数分)入っている。
それぞれ異なる文字が一文字刻印されている。【知識】-サンスクリット文字
【他言語:梵字】もしくは仏教徒のみ【知識】等でそれぞれ六道を司る六地蔵を表す梵字だとわかる。
◆魂の破片:一辺4cmほどの正三角形の薄いタブレット様のもの。魂の欠片を浄瓶で吸い込むとこの形に変換する。
■中央の部屋
[六道の部屋]にある正面の扉の部屋。信者の持つカードが必要。
パソコンの置かれたデスクと詰まれた書類、いたるところに読めない走り書きのメモや付箋が張り紙されているアルミの本棚。
商店のバックヤードのような雑然とした部屋だ。
PC1の出てきた扉がある側の壁には似たようなカード読み取りとタッチパネルのついた扉がいくつか並んでいるが、
現在ランプの点灯しているのはPC1が出てきた扉だけである。
他の壁際には[倉庫][部屋A][(白紙のプレート)][中庭]の扉がある。
◆デスク
├・パソコン
│ └表計算ソフトが立ち上がっている。【経理】【数学】などで何らかの商品の売上/在庫管理などの表だとわかる。
│ └時刻は覚えている日付の深夜をとっくに回っている。(厳密には日付が変わっている)
│ └立ち上がっている表計算ソフト以外を見るのであれば、他にシフト表らしきファイルを閲覧できる。
│ 今日の日付の早番に大勢の氏名らしき記号が入力されている。
│ 現在の時刻には当直として一名分記入されており、明朝からは再び大勢の人員が出勤してくるのがわかる。
│ あまり悠長にはしていられないことは想像がつくだろう。(時間制限はありませんがここでそれとなく煽るとよい。)
│ └更に発送表のファイルを閲覧できる。【英語】技能でで知ってたり知らなかったりする神格や教団の名前が連なって
│ いるのが読める。読み手が神格を知らなくてもひらがな発音はできる。
│ 表計算ソフトはマクロ操作がロックされているが、更に【コンピュータ】【経理】で内容を改ざんすることができる。
│ 具体的には大盤振る舞いの邪神連中からやたらと発送予定の少ないノーデンスを始めとした旧神連中へ、
│ 発送数を振り分け直すなどして改ざんしてしまえる。-分岐3
│ └完全なオフライン端末であり、インターネットなどには接続されていないとわかる。
└・書類の山
└仕入れ強化・大幅増量といった文言が並ぶ業務用の指示が記載された書類が散らかっている。
│└【目星】-[収斂機のマニュアル]という古そうな書類を発見する。
│ └[収斂機のマニュアル]
│ 黄ばんだ書類にモノクロの図付きで何かしらの機械の操作の手順が記されている。
│ 図の一つに(PC1が得ていれば手元にある)正三角形のタブレットと思わしきものがある。
│ 何を指しているかが不明な記述が多いものの、実際に機械を前にすれば操作の仕方が分かる程度。
│ 機械の用途を示す概要部分が記載されていたであろうページは破損してしまっている。
├業務日誌(抜粋)
│:とりわけ[地]と[修]の売れ行きが良い。
│ [人]なんかもベースなりに需要があるようだが、とにかくこの二つは優先して回収すべき。
│:どこの連中が何に使おうが儲かりさえすればいいのだが、█████(文字が滲んでいる)やなんかは、
│ わざわざ破片を買い取って何に使うのだろうと少々疑問だ。
│:コスト削減のため[収斂機]を非可動にしたらどうかという提案。
│ 元々ほぼ業務上で使用しないものだし、常設していると電源ばかり食うので皆で運んで物置に移動した。
│:需要が大幅に増えたそうなので、仕入れ強化を行うそうだ。忙しくなる。増員の手配は済んだ。
│:なんとか大波を乗り切った。明日も忙しくなる…、当直のうちに少しだけ作業を進めてしまおうと思う。
└新聞:今日の夕刊らしい。大見出しで[地下鉄異臭騒動][薬品散布か]などの字が踊っている。
意識不明者が多数出ているとの記事だ。
PC1はPC2と地下鉄に乗っていて刺激臭を感じ、意識を失ったことを思い出す。
◆張り紙だらけの棚
├仏教系の見たことがない宗派の書籍と、輪廻や転生、魂の取扱についての書籍が雑に並んでいる。
│└【図書館】-画集を見つける。付箋の貼られた箇所を開くと、仏が蓮池を覗き込んでいる。
│ 『御仏が池に向かって真言を唱えると、忽ち池に現世が映し出された。』
├小さな仏壇のような何か-小さな南京錠がついている。【鍵開け】or鍵開け物理
│ └戸を開くと中に顔のない黒い観世音菩薩が安置されている。持ち帰った場合-分岐6
└【目星】大量に貼られたメモ書きから、[新規御契約先-Nodens様]という走り書きを発見する。
■倉庫
魂の破片が出荷待ちの状態で並んでいる。
丁寧に箱詰めされた魂の破片の並ぶ棚の他、片隅に破片を同種12枚一組でパッキングする機械が置いてある。
◆パッキングされた魂の破片
└同じ種類を12枚1組できっちりパッキングされており、バラけさせることはできない。非常に丈夫でもある。
詰められた箱には日付がついている。
【知識】【アイデア】両方の成功で日付から過去の災害やテロ等の多くの人的被害を出した事件に思い至る。
自分たちの他に多くの一般人が巻き込まれているのではという考えがよぎる。
◆チラシ-『用途別魂販売致し〼。安心安全の種別分離済。まじりっけなしの純正品。 -安蘭寺商社部』
◆倉庫内のいずれかへ【目星】
└[魂の破片]に関するクライアント向け取扱説明書を発見する。
『ペット用ペレット・意思エネルギー・サプリメント・生贄 タマシイは多岐に渡ってご利用頂けます!』
『タマシイは光が当たらず湿気の少ない冷暗所で保存してください。
経年で魂が摩耗してご利用に堪えなくなる可能性がございます。
また、摩耗したタマシイのご利用はお控え下さい。』
■部屋A
パイプ椅子が一脚と、[再生機]が置いてあるだけの殺風景で狭い部屋。
手前に暴行された[人間道の破片]が拘束され転がっている。
扉を開けた時点では力なく横たわっているが、PC1が抱き起こせば目を開ける。
名前を聞かれ答えなかったため暴行された、話してしまった/持ち物などからバレてしまったと語る。
暴行具合や拘束具合はKPのお好みで。
◆[修羅道の欠片](または他の拘束された欠片)の拘束の鍵を持っているかと聞けば肯定する。
[人間道の欠片]は分かたれてなお唯一他の欠片の存在について把握している。
自分が拘束しているエゴや欲望についても一番良く知っており、できることならばそれらを解き放ちたくない。
現状の説明をされれば部屋から出すことについては承諾する。
鍵を渡す場合は身の内から出てくるように出現する。あるいは人間道の欠片が鎖に触れるだけで解ける。
◆[再生機]
正三角形の窪みがあるパネルと、20cm四方ほどの板状のトレイのようなもので構成された機器。
窪みに[魂の破片]をはめ込んでスイッチを押すと、トレイに中身の欠片を1/10サイズほどの立体映像として出力する。
出力した欠片とはコニュニケーションを取ることも可能。
(拘束された欠片を開放する前に人間道の欠片を破片に変えてしまったなどといった場合、
ここで自室(人間道の部屋)から鍵が得られるよう在り処を喋らせるなどして詰み防止に使用してください。)
└[摩耗した破片]を再生
└遮那丸と名乗る盲目の小坊主の欠片が再生される。
[天道の欠片]の特徴を持ちつつも幾分知性的であり、真言や梵字について尋ねることができる。
蓮池の真言(光明真言)についても彼に教えてもらうことができる。
■物置
ダンボールや物入れと化したアルミ棚の並ぶ雑然とした物置。
部屋の片隅に電源の繋がっていない円柱水槽と機械のセットが佇んでいる。
◇収斂機
└[水槽の部屋]で見たような円柱水槽に見慣れない機械が付属した装置。
円柱水槽には液体が満たされているようだ。電源は抜かれているので部屋のコンセントか何かに繋ごう。
電源の入れ方や操作の仕方は[収斂機のマニュアル]を読んでいるか、【コンピューター】【機械操作】で可能。
起動するとちょうどディスクトレイのような具合で正六角形の窪みが付いたスロットが滑り出してくる。
ここに破片化した魂の欠片達を揃えて押し込むことで横の水槽内へPC2の魂が元の形に収斂される。(順不同)
身体の中心からMRスキャンを開始したかのように順に内蔵、骨格、筋肉、皮膚と肉体が構成される様を
目撃したPC1は0/1d3のSANチェック。
更にマニュアルに従って操作を完了すればPC1に向かって倒れ込むように排出される。
(この辺の描写は趣味なので、排出する前にガラス越しに微笑ませたいなど演出的コダワリを持つKPは
できるだけ内なる欲望へ正直に描写を行うこと)
※使用した際に排出した培養水を補填する方法がないため、
KPは事実上シナリオ中に収斂機を1度しか使用することができないことに注意。
◆収斂された魂
└6つの破片がきちんと収まったPC2の魂。排出される時は初めのPC1と同じく全裸。
以降のRPは通常探索者としてロールする時のもので構わない。魂の欠片を集めてくれたPC1に感謝しよう。
◆欠けた魂
└6つの破片から一つでも欠けた状態で収斂・成形された魂。欠けた要素はPC2から永久に失われる。
(例:地獄道の欠片を収斂しなかった魂は、今後SANが0になった場合知性と意思を失い虚無の狂気となる)
(例2:人間道の欠片を収斂しなかった魂は、愛や苦悩、その人の人間らしさ、人格のベースを失い無機質な人柄となる)
◇ガラクタの山-PC1の望む探しモノがあれば【幸運】などで手に入る。
└【目星】-梵字の擦り切れかけた[摩耗した破片]。梵字は[天道の破片]と同じもの。(KP情報:遮那丸の破片)
└これを持ったまま蓮池を通った場合-分岐5
■中庭
白い玉砂利が敷かれ壁に囲まれた小さな中庭。
◆上空
└高い壁の更に上方に空が広がっているのが見える。時刻的には美しい夜空が広がっている。
└【天文学】【ナビゲート】を用いると、地球上のどこに居ても見ることはできない星の配置であることがわかる。
自分たちは一体どこにいるというんだろう? 0/1d2の正気度判定
◆蓮池
└石で囲まれた静謐な蓮池がある。覗き込むと……どこかで見たことのある、都会を上空から見下ろした光景だ。
眺めているとカメラが切り替わるように異なる場所の現代日本の日常的な光景が移り変わっていく。
ズーム具合によっては急ぎ足で歩む人々も、行き交う車両も見える。リアルタイム某マップのように見える。
└底がないように見えるが、魂の状態で入水すれば現世に還ることができる。-分岐1
└遮那丸から教わった光明真言を唱えてから入水する。-分岐2
└収斂をせず欠片や破片のままのPC2を伴って入水した。-分岐3
■エンディング
◆分岐内容
1:蓮池から市街の上空に投げ出される。命綱もパラシュートもない自由落下を経験し1/1d6のSANチェック。
→[病院]へ
2:蓮池から暖かくきらきらした白い空間をゆっくり落下している感覚がある。
→[病院]へ
3:1・2のどちらを通っても、欠片や破片は落下していくPC1とは逆方向へ昇ってゆきその手を離れる。
→[病院]へ
4:ED後に同事件に巻き込まれ意識不明だった人々が後日目を覚ましたというニュースが聞ける。
5:ED後に長い間植物状態だった患者が意識を取り戻したというニュースが聞ける。
6:病院で目を覚ますとなぜかサイドボードに顔の摩耗した小さな黒い仏像が置かれている。
◆描写例
[1群] (A:二人で脱出/ B:一人で脱出/ C:欠片(破片)と脱出)
A:蓮池に飛び込んだ君達は冷たい水の感触を突き破ったかと思うと、見慣れた街の遥か上空に投げ出されている。
身を切る風の冷たさに、恐るべき自由落下の速度に身震いする君の腕を取って、しっかりと引き寄せる者がある。
白む意識に呑まれる前に、その腕に抱かれる感覚がした――
B:蓮池に飛び込んだ君は冷たい水の感触を突き破ったかと思うと、見慣れた街の遥か上空に投げ出されている。
身を切る風の冷たさに、たった一人落下していく速度を恐ろしく感じる。
その恐怖に呑まれるように意識が白んでいった――
C:蓮池に飛び込んだ君達は冷たい水の感触を突き破ったかと思うと、見慣れた街の遥か上空に投げ出されている。
たった一人真っ逆さまに落下する君を置いて、大切な人は逆に上へと昇っていき、握っていたはずの手も離れていく。
離れていく人にどうすることもできないまま、無力さに呑まれるように意識が白んでいった――――
[2群] (D:二人で脱出/ E:一人で脱出/ F:欠片(破片)と脱出)
D:蓮池に飛び込んだ君達はいつのまにかどこかほの暖かくて白く煌めく空間をゆっくりと落下している事に気がつく。
気づけば横にいる君の大切な人が離れまいと君を引き寄せている。下方から眩しい光が君達二人を包んだ――
E:蓮池に飛び込んだ君はいつのまにか白く煌めく空間をゆっくりと落下している事に気がつく。
なぜか少し肌寒いような、何か欠けたような喪失感を感じる。そんな君を下方から眩しい光が包んだ――
F:蓮池に飛び込んだ君達はいつのまにかどこかほの暖かくて白く煌めく空間をゆっくりと落下している事に気がつく。
気づけば横にいる君の大切な人だけがふわりと上空に浮き上がっていく。引き留めとする手がもう少しで届かない。
一人きりになった君を下方から眩しい光が包んだ――
[病院] (G:二人で脱出/H:一人で脱出(欠片/破片との脱出も同様))
G:目を覚ますと消毒液とリネンの匂いがするベッドに寝かされていた。
視線を動かすと隣のベッドで同じように目を覚ました君の大切な人が安心したように君を見て微笑んでいる。
君たちが意識を取り戻したことに気づいた看護師が声をかけてきた。
「よかった、気が付かれましたね!」
君は看護師らの説明で、自分たちが大勢の人間と共に地下鉄での薬品散布テロに巻き込まれたことを知るだろう。
傍らの存在がベッド越しにそっと手を握ってくる。……生きて帰ってこれてよかった。
H:目を覚ますと消毒液とリネンの匂いがするベッドに寝かされていた。
君が意識を取り戻したことに気づいた看護師が声をかけてくる。
「よかった、気が付かれましたね!」
君は看護師らの説明で、自分たちが大勢の人間と共に地下鉄での薬品散布テロに巻き込まれたことを知るだろう。
未だ意識不明の大勢の人間と同じように、隣のベッドで眠っている存在は昏睡したままだ。ずっと。
(PC2は実質ロスト)
【報酬】
・生きて帰った:1d3
・PC2を連れて帰った:1d(収斂した魂の破片数)
・発送先を改ざんし、大勢の魂を救った:1d3
・遮那丸の破片を現世に解き放った:1d3
AF-黒智爾観世音菩薩(小)
└おしゃべりクロミちゃん。
《某無貌さんとの接触》に使用する場合のみ、POW値の生け贄を肩代わりしてくれる。
ただし所持している間、その内容こそ覚えていないものの顔がない人に悪い提案や
暗黒宇宙的な知識について滾々とひたすら話しかけられるという悪夢を見つづける。
◆各種補足
└収斂しなかったために現世へ帰ってこれなかったPC2の魂は、KPが望むならばキャンペーンシナリオを作成するなどして
この世の何処かに散った魂の破片をPC1に回収させることが可能という方針を取っても良い。
この場合、それは冒険におけるめざましい活躍の報酬として与えられるべきであると考えている。
└遮那丸の破片を持ち帰った場合に、魂の破片が世界へ散らず本人の器に戻れたのは
最早この世界に遮那丸の魂が天道の破片1枚分しか残っていなかったためである。(残りは出荷されどこかで消費された)
欠けども器と魂1:1の状態となったため迷わず収まることができた。
PC2の欠片/破片に関しても何らかの要因で他5つの欠片/破片が失われた場合同様の処理を行って構わない。
👇MAP